意見書（私的鑑定意見書）とは

意見書(私的鑑定意見書)とは、裁判で証拠として出されることを前提とした医師により作成された書面をいいます。

医療裁判を行う際、一般的な医学的知見は、医学文献で立証することも出来ますが、原告に施された治療が当時の医療水準にかなった適切な医療行為であったか否かについては医学文献で立証するのは困難です。

そのため、専門医が作成した書類によって証明する必要があります。

この時、裁判所が選任した鑑定人である医師が作成したものは、鑑定書と呼ばれるのに対し、私的鑑定意見書は、原告・被告双方が専門医に作成を依頼して各々提出するものです。

このように、私的鑑定意見書は鑑定書と異なり、選任の公平性が保たれておらず、その信用性をめぐって争いがあります。

医療の専門家である医師が作成した書面に違いないからという理由から、意見書は鑑定書と同様の証拠価値があるという見方もできますが、他方、作成の依頼者に迎合的な内容になる恐れがあることから、証拠価値がそれほど高くないと判断される恐れもあります。

そのため、私的鑑定意見書に高い証拠価値を持たせるためには、できるだけ作成した医師に名前を出してもらうことや、当該事案にかかる医療分野の専門医や当該分野に優れた診療実績を持つ医師の作成してもらうこと、私的鑑定意見書の記載内容と他の証拠との整合性をもたせること、結論にいたる根拠が合理的に説明されていること、などを気を付ける必要があります。




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