医療過誤に関する訴訟はどのような流れで進んでいくのでしょうか。
医療過誤訴訟は、一般的な民事訴訟の流れと同様に進められます。
民事訴訟は①訴訟の開始②訴訟の審理③訴訟の終了という三つの部分に分けられます。
①訴訟の開始
訴訟は、「訴えの提起」によって始まります。具体的には、裁判所に訴状を提出して行います。
訴訟は、「訴訟要件」を満たしていなければ、却下(訴えた内容について審理されることなく門前払い)されてしまいます。そのため、病院側と事前に合意した等の事情がない限りは、その病院の所在地を管轄する裁判所に提起することになります(民事訴訟法5条9号)。
訴状に対しては、被告が「答弁書」を提出して反論します。
その後の原告・被告の主張は、「準備書面」でやりとりされます。
②訴訟の審理
訴訟の審理は、弁論手続きと証拠調べ手続きに大別することができます。
■弁論手続き
弁論手続きは、原則公開法廷で、フォーマルな雰囲気で行われるのが原則ですが、早い段階で裁判所が「弁論準備手続き」に付すのが一般的です。
弁論準備手続きにおいては、準備室や和解室等において報復を着用していない裁判官とインフォーマルな形で討論を行うことができ、機動的な争点整理ができるという特徴があります。
裁判所は、診療経過をよく知っており証拠資料を有している被告に診療経過一覧表を作らせ、原告はこれに対して認めるのか否認するのかを示したり、補充や反論をしたりして、どの部分に争いがあるのか、逆に争いのない部分はどこか(争点)を明確にしていきます。
■証拠調べ手続き
証拠調べ手続きには、書証、証人尋問、当事者尋問、鑑定等があります。
〇書証
原告側は医療文献等、被告側はレントゲン写真や検査の記録、看護記録等を提出します。まあ、第三者的な立場の医師からの私的鑑定意見書も証拠として活用されます。
〇証人尋問、当事者尋問
原告や被告、また、看護師や他の医師等について、陳述書を作成し、尋問を行います。
〇鑑定
当事者から鑑定の申請があった場合には、裁判所は鑑定人を推薦させるなどして鑑定人を決定し、同時に鑑定事項も当事者の意見を聞きながら確定します。鑑定結果が出たら、それに対する反証活動がなされることが多くなっています。
③訴訟の終了
訴訟は、裁判所が判決をするか、当事者間で和解が成立すれば終了します。
判決が下されても、控訴の可能性が残されているため、終局的な解決にはならない可能性がありますが、和解になるとその後控訴することはできなくなります。もっとも、和解になると裁判所による争点についての判断がしめされないことがあります。
どのような目的で訴訟を提起したのか、勝訴の見込み、訴訟が長引くことによる負担等を考慮して、判決か和解かを選択することになります。
弁護士法人ウィズは、医療事故・医療過誤・医療ミスに関するご相談を承っております。医療訴訟で勝つためには、幅広い医師のサポートがある、医療に精通した弁護士に相談することが不可欠です。当事務所では、数々の裁判を解決してきた経験豊富な弁護士が在籍しています。
新宿区を拠点に、渋谷区、世田谷区、豊島区、練馬区の法律相談に対応しており、無料相談も実施しております。医療事故・医療過誤・医療ミスでお悩みの際は、当事務所までご相談ください。
医療過誤の訴訟の流れ
弁護士法人ウィズが提供する基礎知識
-
人身事故
衝突事故や玉突き事故など、さまざまな事故がありますが、多くの人がイ...
-
遺留分
遺留分とは、被相続人の兄弟姉妹以外の相続人が、相続財産を最低限相続...
-
豊島区で交...
豊島区は、いくつもの路線が入っている池袋駅を中心に繁華街が広がる一...
-
損害賠償
交通事故といわれると事故で怪我をした人を思い浮かべる方も多いでしょ...
-
遺言書
遺言とは、故人が生前における意思を表したものをいい、それを書面にし...
-
ブラック企業とは
「ブラック企業」とは、法定されている労働時間の極端な超過や賃金の不...
-
弁護士への...
医療過誤・医療事故にあったと弁護士に相談に来る方の中には、すぐに裁...
-
被害者請求...
「被害者請求」とは、被害者本人が、必要な書類や資料を全て用意した上...
-
医療ミスを...
あなた自身や大切なご家族が、医療事故・医療過誤・医療ミスの被害に遭...