交通事故は、加害者のみならず被害者にも過失がある場合が少なくありません。過失割合は交通事故の示談交渉で重要なキーワードであり、耳慣れない言葉ですが理解しておく必要があります。
ここでは過失割合について詳しく見ていきましょう。
■過失割合とは
過失割合とは、言葉のとおりか加害者と被害者の過失の割合のことです。
交通事故はさまざまな状況下で起きるものであり、加害者だけ一様に過失があったわけではなく、被害者にも過失のある場合が多いのです。そういった際には損害額の全てが被害者に支払われるのではなく、被害者の過失割合に応じて賠償金額が減額されるのです。
また、過失割合に応じて賠償金を分担することを「過失相殺」と呼びます。
■過失割合を決めるのは誰か
では過失割合は誰が決めているのでしょうか。
基本的に過失割合を決定するのは、警察ではなく保険会社です。
過失割合は損害賠償の際に問題となるものであり、損害賠償は民事上の責任であるため、警察官は介入しないのです。死亡事故など大きな事故をのぞいて、警察官が行うのは、事故発生時の事実を記録する実況見分調書の作成のみだと考えて下さい。
過失割合は、保険会社が過去の交通事故の判例などを元に事務的に決定しているのです。
したがって、被害者と加害者がともに任意保険に加入している場合は、それぞれの任意保険会社の担当者同士が協議して過失割合を決定することになりますが、この際の過失割合が必ずしも適切なものだとは限りません。
過失割合について疑問点がある場合はしっかりと主張しましょう。
過失割合の認定に対して争いがある場合は、最終的に訴訟を通じ裁判所で決定されることになります。
■過失割合の基準
過失割合を決めるのは保険会社だと分かりましたが、では、どのようにして過失割合を決めているのでしょうか。
過失割合を決める方法として、過失割合の実務上の基準となる過失割合認定基準があります。
過失割合認定基準は、事故の状況ごとの過去の判例を元に作られており、別冊判例タイムズという法律雑誌などに記載されているため、一般の人も見ることが出来ます。
過失割合認定基準に沿って過失割合を算定していきますが、過去に発生した類似的事故を参照して算定するため、必ずしも適切なものだとは限らないのです。
過失割合は、損害賠償に直接関係する重要なものです。
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