交通事故の中でも最悪のケースが、死亡事故です。最近では、自転車と歩行者の間で死亡事故が起きるケースも報道されています。
ここでは、死亡事故について詳しくみていきましょう。
■死亡事故とは
死亡事故とは、被害者(あるいは加害者)が亡くなってしまう事故のことを指します。非常に重大な事故として考えられ、問われる責任も人身事故に比べて大きくなります。
■死亡事故の責任
死亡事故を起こした加害者には3つの責任があります。
「行政上の責任」と「刑事上の責任」と「民事上の責任」の3つです。
「行政上の責任」では、違反点数が課せられ、免許の停止や取消しなどの行政処分を受けることになります。交通反則通告制度は適用されないため、必ず刑事上の責任を負うことになります。
「刑事上の責任」は、自動車運転死傷行為処罰法の過失運転致死傷罪による刑事責任を問われるもので、検察官の起訴から略式または正式の裁判にかけられます。有罪になると罰金や懲役が科せられます。裁判の判決には示談が成立しているかどうかということも影響するため、次の民事上の責任もしっかり果たすことが重要です。
「民事上の責任」とは、交通事故の被害者の受けた損害を賠償する責任です。民法709条や自動車損害賠償保障法によって損害賠償請求が行われます。
■死亡事故の損害賠償
原則として、損害賠償請求は被害者自身が手続きすることになっていますが、死亡事故の場合は被害者が亡くなっています。そこで、相続人が加害者に対して損害賠償請求することになります。これは、被害者の損害賠償権は相続出来るという考え方に基づいています。
死亡事故の損害賠償請求は財産的損害と精神的損害のそれぞれについて請求していきます。財産的損害では、被害者が亡くなるまでの治療費や入院費、付添看護費などのほか、葬儀関係費も請求できます。
最も重要なのは、逸失利益の損害賠償です。逸失利益とは、被害者が事故によって得られなくなった分で、事故がなければ得ていたと考えられる収入の推計を指します。
また、死亡慰謝料には亡くなった被害者自身に対する慰謝料のほかに、残された家族、つまり遺族に対する慰謝料も請求することが認められています。
死亡事故は損害賠償額も多く複雑になりますが、何より大切な人を失った状態で冷静に対応できる人は多くありません。しかし、誠実で十分な対応を加害者に求めなければ、その後の人生に大きく影響します。
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