衝突事故や玉突き事故など、さまざまな事故がありますが、多くの人がイメージするのは人身事故ではないでしょうか。
ここでは、人身事故についてみていきます。
■人身事故とは
人身事故とは、傷害事故とも呼ばれる事故のことで、人が怪我を負ってしまった事故を指します。怪我の程度はかすり傷から後遺症の残るものまで、交通事故によってさまざまです。
■人身事故の流れ
人身事故が起きた際には、どのような流れで解決に至るのでしょうか。詳しくみていきましょう。
①交通事故発生時
交通事故が発生したとき、事故関係者には3つの義務があります。
「負傷者の救護義務」と「危険防止の措置」と「警察への届出」の3つです。
「負傷者の救護義務」とは、負傷者を病院に連れて行ったり救急車を呼んだりといった必要な救護活動をする義務です。自動車免許の教習所でも救護活動に関する時間が設けられています。
「危険防止の措置」とは、第二の事故などを防ぐために車の誘導などを行うことです。ただし、危険な場合を除いて事故車の移動は警察官の到着後に行うのが良いでしょう。
「警察への届出」とは、加害車両の運転者が事故の処理が終わったら、事故の日時や場所、その後の処置などを警察に届けることです。
これらの義務を怠った場合には、道路交通法72条の措置義務違反となり、事故届けを出さないことで保険金の請求が出来なくなることもあります。
②被害者の入通院
人身事故の被害者は入院あるいは通院することになります。
入通院時には診療報酬明細書を保管し、後遺症が残りそうな場合には、後遺症の症状が固定するまできちんと通院を続けましょう。
健康保険を活用することで、治療費を抑えることができます。
③加害者の責任
交通事故を起こした加害者には3つの責任があります。
「行政上の責任」と「刑事上の責任」と「民事上の責任」の3つです。
「行政上の責任」では、違反点数が課せられ、違反点数が一定以上になると免許の停止や取消しの処分を受けることになります。
「刑事上の責任」は、自動車運転死傷行為処罰法の過失運転致死傷罪による刑事責任を問われるもので、検察官の起訴から略式または正式の裁判にかけられます。罰金や懲役が科せられることもあります。
「民事上の責任」とは、交通事故の被害者の受けた損害を賠償する責任です。民法709条や自動車損害賠償保障法によって損害賠償請求が行われます。
④示談交渉
交通事故の損害賠償についは、9割以上が示談によって解決しています。
示談についての詳しい説明は別の項でも行っていますので、そちらもご参照下さい。
⑤示談が成立しなかった場合
示談が成立しない場合には、民事調停による解決をはかるか、裁判所で争うことになります。
■人身事故の損害賠償
人身事故の損害賠償は、事故そのものによる財産的損害と精神的損害があります。また、後遺障害が認められた場合には、後遺障害による財産的損害と精神的損害についてさらに賠償請求することになります。具体的には、財産損害としては治療費・付添看護費・通院交通費・雑費・休業損害などで、後遺障害があればそれによる逸失利益が挙げられます。精神的損害としては入通院に対する慰謝料、後遺障害があれば後遺障害についての慰謝料です。
損害賠償請求には時効があり、損害と損害を加えた者(加害者)を知ったときから3年となっています。
人身事故は、解決までさまざまなプロセスがあり、そのそれぞれで専門的な知識と経験が有効になります。
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